今日、お昼過ぎにお客様が1人いらっしゃった。
ちょうどエアコンの前の4人掛けテーブルに座られて、
ご注文を頂いたので僕が作り始めたら、
「あのご主人。作りながらでいいのでちょっとお話聞いてもらえませんか?」
と、カウンターに移動してきた。
4人掛けテーブルにお冷やとおしぼり置いたままだ。
行儀の悪いお客さんだなぁと、内心ムッとしたし、
そもそも僕は、話聞きながら作れるほどの料理の達人ではない。
(ごく簡単な受け答えはするけど・・・)
だもんだで、
「手元が狂うのでちょっと込み入った話はできませんけど・・・」
と答えたのだけど、
なんでかお構いなしに話を始められた。
むぅ。しょうがない。
無視するわけにもいかないので、
極力聞ける範囲で聞きながら作った。
で、聞いてみると、なんか不思議パワーの講演会を
ブリックホールでやるっつーんで、
僕や、うちのお客さんに来るよう勧誘だった。
はるばる愛知から勧誘にやって来たのだ。
小学校の理科の先生で、夏休みを利用して、
世の人に役立てる事をしに、こんな西の果てまで
やって来たのだそうだ。
だもんだで、てっきり愛知に本部があると思いきや、
福岡にあるのだそうな。
おまけに、長崎にも支部があって、会員の人もいらっしゃるそうだが、
なぜその人達が来ずに、あなたがわざわざ愛知くんだりから
やって来たのだ?と聞きたかったけど、
調理中なので、コチラからの質問は差し控えておいた。。。
で、ぼんやり聞きながら、とりあえず注文の品を作ってお出しして
手が空いたので、よくよく聞いてみると、
なんでも、そこら中に漂ってる宇宙パワーを集めて、
肩こりから癌に至るまで色んな病気を、
手をかざしただけで治してしまうのだそうな。
ふーん。
なんか元○玉みたい。。。
(なんとなくそのお客さんの顔が悟空に見えてきた・・・)
ちなみに、
「あのー、その技。ココの上の階(真○教)の人も使えるんですけど、
それと似た様なもんですかね?」
と、訊ねてみたら、
「あー、○光さんですね。あれは宗教ですよ。
うちは全く違います。」
とのことだった。
人間は、本来持ってる力のわずか5%しか使っておらず、
残りの95%は眠ってるのだそうな。
そして、人間は宇宙全体についても、その5%しか知らないのだそうな。
おや?子供の頃読んだ「北斗の拳」では、30%しか使ってないと聞いたけど、
ずいぶん少なくなったもんだな。
研究が進んで、実は5%ぽっちだと判明したのかな?
そう思いながら、
でもまあ、確かに100%宇宙のこと知ってる人は居ないだろう。
居ないのに、今知られてるコトが全体の5%って、どうやって知ったんだろ?
って思ったけど、
でもそれを聞くと、疑われてると思って気を悪くなさるかもしれない。
まあそれに、高専時代、図書館で「月刊ムー」を愛読していた僕にとっては、
この手の不思議話って結構好物なのだもんね。
つーわけで、更に話を聞くと、
なんでもこの会社のセミナーに行くと、
達人の先生からなにやら脳のスイッチを入れてもらえるのだそうな。
コレが入ると、誰でもその不思議パワーが引き出されて使えるようになるのだという。
割とよく聞く技だなぁ。。。
(なんとなく最長老様の顔が思い浮かんだ・・・)
ちなみに、
「あのー、その技って、やっぱ使い続けてると、
自分が疲れちゃったり寿命が縮んじゃったりするんですか?」
と、訊ねてみたら、
「そんなことはありません。先生はただキッカケを与えてくださるだけですから。」
あ、やっぱそうなんだ。。。
なんでも福岡の本部では、毎日その手かざし治療の予約で満杯で、
治療受けたくてもなかなか受けられない人も居るくらいなのだそうな。
でも、宇宙のパワーを集めて治療するので、
患者だけでなく、治療してる本人やその周辺の人までも、
パワーのおこぼれで調子が良くなるのだそうだ。
その本部にお客さん運んでるだけのタクシーの運転手さんまでも、
体の色んな不調が取れたのだそうだ。
スゴイ!
でもってでもって、
その不思議パワーで食品の味も変えてしまえるのだそうだ!
(まあこれは、僕が持ってる気功の本にも同じコトができるって書いてあったけど・・・)
「私も修行中ですけど、醤油の味とか変えれますよ。試してみますか?」
もちろん、試しますとも、ますとも!
つーわけで。
2枚のお皿にそれぞれ醤油をちょっと垂らして用意すると、
その片方に不思議パワーを送り始めた。
ちょうど気功で、手の平に気のボールを作るときの格好だ。
で、1、2分ほどパワーを送った後、
「味を比べてみてください」
と、言われて、ペロペロとなめてみたら・・・!
ああっ!?ホ、ホントだっ!
パワーを送った方は確かに、
塩分の尖った感じがなくなって、
まろやかな味になってる~っ!!!
これはホントにビックリした。
何度も何度もペロペロなめ比べてみたけど、
やはりチガウ!
その僕の、何度も何度もペロペロなめ比べる様を見て、
気を良くされたのか、
「実は、再び元に戻す事もできるんですよ!」
と言って、再びパワーを送られた。
よーし、ペロペロ・・・
残念ながら、まろやかなままだった。
けど、あまりにも得意げな表情をされていたので、
「あー、ホントだ!戻ってるー!」
と、つい優しい嘘をついてしまった。。。
でもホントすごいよ。
今度僕にできるかチャレンジしてみよう!
「飲食店やられてる会員さんも、
これで料理の味を良くして出してるんですよ。
ご主人もこのハンドパワーを習得すれば、
お店の食べ物が全ておいしくなって、
お客さんもたくさん来るようになりますよ!」
うー。
一応僕も毎回「おいしくなーれ」と、オリジナル念を込めて作ってんだけどなー・・・
つーか、なんでうちの店がお客さん少ないって知ってんだ!?
これも、不思議パワーで感知されたのだろうか?
もしそうなら恥ずかしい・・・。
で、更に。
「どっか肩こりとか調子悪いとこあったら、
今、私が治してあげますよ。」
とおっしゃってくださったので、
じゃあとばかりに、
今痛めているアキレス腱を差し出そうと思ったのだけど・・・
さすがにお客さんに僕のクサイ足の臭いまでかずませるのはちょっと・・・
と思い止まった。。。
あ、でも今思えば、やってもらってたら、
足も良い臭いに変えてくれたかもしれなかったなー。
ちょい残念!
つーわけで、不思議お客さん。
僕のコトたいそう気に入って、満足そうに帰って行かれた。
当然、
「あなたのような人にこそ是非来てほしい。」
と、なんどもセミナーに誘われ、
長崎支部の治療所も紹介されたけど・・・
知恵の輪でもなぞなぞでもそうであるように、
人から答え教えてもらうのはつまんないもんね。
だから僕はその不思議スイッチ、自力で探してみよう!
(セミナーや治療に払うお金もないしね・・・)