A
―星野ナナ―
君に出会ったのは、
ちょうどこんな寒い冬だったね。
B
あのころ、僕は若かった。
色んな相手をとっかえひっかえ。
落ち着きなく、ただひたすらむさぼり続けていた。
そんな荒んだ僕の目の前に
現れたのが君だった。
C
バイトの先輩に紹介されて。
白い素肌にキラキラ光るラメが印象的だったよ。
一瞬で僕の心は奪われてしまった。
もうそれからは、ひとときたりとも
離れてはいられない。
ずーっと一緒に暮らしたね。
D
いつだったか、一緒に寝ていたときも
あまりにずさんな僕の態度に腹を立てて
無理心中の一歩手前まで行ったっけ。
そんな熱い君が好きだった。
いつしか、学校もバイトも卒業して
サラリーマンになって長崎に来た時も
君はついてきてくれたね。
E
そして、仕事から帰ってきて
ヘトヘトになった僕を毎晩癒してくれたね。
そんな柔らかな雲のような君が好きだった。
でも、そんな僕らの仲にも亀裂が。
あの時僕は、喫茶店を始めたくて
会社を辞めようとしていた。
あの時に、思ったんだ。
「いつまでも君に頼ってばかりではいけない。別れよう・・・」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>> To Be Continued >>>